【節分】子どもが豆やピーナツで窒息・肺炎に?治療は全身麻酔で!?その原因と、4つの対策を内科医ママが解説します

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。

あと少しで節分ですね。
節分といえば、豆まき。小さなお子さんがいらっしゃると、子どもに季節の行事を体験してもらおうと、豆まきをするご家庭も多いのではないかと思います。
ですが、実は小さなお子さんでは、

・豆を喉に詰まらせる窒息事故
・誤って誤飲した豆による肺炎

この様な事例が多いこと、ご存知でしたか?

今日は、節分の豆まきにちなんで、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭で注意していただきたい、「豆」による事故のお話をしたいと思います。

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3歳未満の子どもに、ピーナツなどの固い豆類を与えてはいけない

いきなりですが、3歳未満の小さなお子さんには、ピーナツや大豆などの固い豆類をあげないで下さい。
その理由は、誤って気管に入ってしまう事例が多いからです。

「節分の残りの大豆を食べた後から息がぜいぜいし、夜も眠れなかったため、病院で全身麻酔下にて気道から異物除去を行った。大豆の破片が摘出され、5日間入院した。」(1歳)

「家族と一緒にピーナッツを食べていたところ、喉に詰まって顔色が悪くなった。親があわてて背中をたたいたり、指を口に入れたりしてピーナッツを丸ごと1個吐き出したが、咳き込んで息がぜいぜいするため、救急要請した。」(1歳)

出典:消費者庁 子ども安全メール

こちらの消費者庁のページに紹介されていたのは1歳の例でしたが、0歳〜3歳未満の子どもは危険とされています。
また、3歳以上の子どもでも、ふざけている内に気管の方へ飲み込むなどは十分考えられ、実際に4〜5歳の事例も報告があります。

基本的に、未就学の(6歳まで)のお子さんがいるご家庭では、なんらかの対策が必要だと考えていただく方が良いでしょう。

4歳未満に多い、ピーナツなどの「気管支異物」

気管(気管支)の中に何かものが落っこちてしまう状況を、医学的には「気管支異物」と呼んでいます。
気管支異物は特に幼少期に多く、約80%を4歳未満が占めています。
そして、気管支異物の半分以上は、豆類、ピーナツなどの植物の種です。

ピーナツなどは、親が子どもに与えてしまうことが多く、実際に報告されている症例でも危険と知らずに食べさせてしまった例が少なくありません。
それ以外にも、

・床に落ちているのを拾って食べてしまった
・子どもの手の届くところに豆類を保管した

といった報告が多く、親が豆類の危険性を案外知らないということが、事故が多くなる背景となっています。

ピーナツなどの豆類の誤飲はなぜ怖いのか

私は内科医をしていますので、一般の方向けの記事ではあまり触れられていない、医学的な危険性についても、しっかりとご紹介しますね。

ピーナツなど豆類が気管に入ってしまう理由

子どもはピーナツなどを口に入れても、食べたり、飲み込んだりすることに専念せず、遊びに夢中になってしまいがちです。
そんな状態の時に、強く息を吸い込んでしまったり、大きな咳が出てしまったりすると、その拍子に豆が気管に飛び込んでしまうのです。

子どもの喉がまだ未熟だという理由以外にも、子どもが食事やおやつの時間でも食べることに集中できないということが、大きな理由となっています。

ですので、

ママ
うちの子は歯もしっかり生えているし、よく噛んで食べるのが上手だから大丈夫!
これは、全くあてになりません。
いくら食べるのが上手な子でも、遊びに夢中になってしまうことは避けられないので、全てのお子さんに対策が必要なんですね。

ピーナツはレントゲンに写らない!

ピーナツなどの豆類は、胸部レントゲンを撮影しても写りません。
これが、豆類による「気管支異物」の診断を難しくしています。

親が目を離した隙に、落ちていたピーナツを小さなお子さんが誤飲したとしましょう。
子どもが上手にお話ししてくれなければ、ピーナツが原因だとは誰もわかりません。

子どもの息苦しそうな様子を見て、病院を受診。
胸部レントゲンを撮ったけれど、これといって所見がない。
でもだんだん症状が悪化してきて、肺が一部潰れたり、肺炎などが現れて…
おかしいと気づいた医師が、全身麻酔で気管支鏡検査を実施。
(注:気管支鏡検査とは、気管支にカメラを挿入して観察する検査です)
ここまできて、やっとピーナツだと原因が判明。

どう感じましたか?恐ろしいでしょう。
豆類による気管支異物を診断する難しさが、少しおわかりいただけたでしょうか。

ピーナツは気付かれぬまま、気管支の中で膨張し、油が滲み出てくる

怖いことをまだ書きますよ。

気管支に落っこちたピーナツは、「気管支異物だ」と気がつかれ、除去されるまではずっと気管支に留まります。
気管支内の湿り気でだんだんと膨張してきたり、ピーナツから油が滲み出てきたりもします。

そして周囲に炎症を起こして、肺炎になったり、膿の様な痰が出たり、血の混じった痰が出たり、発熱したりといった、様々な症状を引き起こします。

気管支に入った豆類、自然にゴホンと咳き込んで出てくる確率は約5%未満

ゴホン、ゴホンと咳き込めば、出てくるんじゃない?
そう思ったら大間違いです。

お子さんが気管支に豆類を誤って飲み込んでしまった場合、自然に外に出てくるのは20人に1人いるかどうかです。
つまり、多くの人は出てこないので、気管支鏡による異物の除去など、かなり大変な検査、処置を受けなければならないということになります。

いかがでしたか?
こんなことを知ってしまったら、もう小さなお子さんに固い豆類を食べさせたくないと思ったのではないでしょうか。

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豆類の誤飲による窒息や肺炎を防ぐための4つの対策

この様に、とても怖い豆類の事故。
親子で大変な思いをする羽目にならない様に、ぜひ取り組んでいただきたい4つの対策をご紹介します。

【対策1】固い豆類を安易に子どもに与えない

これは本当に大切です。

・ちょっとだから大丈夫だろう…
・うちの子なら食べるの上手だから…

その油断が危険です!
親が見ているところで与えた豆が原因で、気管支異物のため病院を受診するお子さんは後を絶ちません。
小さなお子さんには、固い豆類は与えないで下さい。

【対策2】豆類の保管は、子どもの手が届かないところに

子どもは興味の塊です。
色々なところに手を伸ばし、年齢によってはなんでも口に入れます。
少し大きくなってきたお子さんだって、豆は食べ物なんだから当然口に入れますよね。

豆類は、子どもが色々知恵を凝らしても届かない場所で保管する様にしましょう。

【対策3】床に誤って豆が落ちていることのない様に注意

床にぽろんと落としてしまって、気付かなかった…そんなことが起こらないように気をつけましょう。

普通に大豆をまくタイプの豆まきは、非常に危ないです。
全部ちゃんと回収したと思っても、物陰に一粒豆が潜んでいるかもしれません。

・あらかじめ数えておいた落花生を、カラごとまいて全部回収する
・数えておいたテトラパックの豆をまく

この様な工夫をして、行事を楽しみつつも、お子さんの安全に配慮してください。

【対策4】豆類で事故になることを、子どもに説明する

お話が分かる年齢のお子さんには、豆類を食べることで起こる危険な事故があることを、ぜひ聞かせてあげてください。
お子さんの年齢に合わせた言葉を選べば、ある程度はわかってくれる筈です。

気をつけて対策していたつもりでも、ミスが起こるかもしれない。
そんな時、パパやママのお話が、最後の砦となってくれるかもしれません。
ぜひ、割と小さなお子さんであっても、丁寧にお話してあげて下さいね。

事故を未然に防ぐという観点から、非常に参考になる節分アイディアも紹介されています。

【1〜2歳の小さなこどもの豆まきに!1歳からの節分ボーロはいかが?節分豆の誤飲についてと手作りまき菓子についても!】 くらしグッズマガジン

くらしグッズマガジンの記事を読むこちらの記事に紹介されているのは、節分ボーロを利用する方法。
これならまいても回収が楽で、しかも中身がボーロなので食べちゃったとしても安全です。
赤ちゃんがいるご家庭は、節分ボーロはとてもいいかもしれませんね。

豆類の誤飲による子どもの窒息や肺炎は防げます!

固い豆類の誤飲による子どもの窒息や肺炎は、保護者の方が危険性をしっかり認識し、対策すれば、ちゃんと防ぐことができます。

・食べるのが上手な子どもでも、豆類を誤飲する
・自力で吐き出せるのは、20人に1人以下
・豆はレントゲンに写らず、診断が難しい
・気管支に落ちた豆を除去するために、全身麻酔が必要なケースも

ご家庭では、ぜひ今日から以下の様な対策をとってください。

・固い豆類を安易に子どもに与えない
・豆類の保管は、子どもの手が届かないところに
・床に豆が落ちていることのない様、特に節分では注意
・豆類誤飲の危険性を、子どもにも伝える

節分の豆まき、お子さんと安全に楽しんでくださいね。
そして、身の回りにご存知ない方がいらっしゃる場合には、ぜひ豆類の誤飲の危険性を伝えていただき、みんなで子どもを事故から守っていきましょう。

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