【内科医ママが解説】インフルエンザ治療の新薬ゾフルーザとタミフルを徹底比較!どっちが効く?副作用や耐性は?15の質問に答えます

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。

2018/2019年シーズンも、インフルエンザが流行のピークを迎えました。
そんな中、注目されているのが、2018年に発売された新薬「ゾフルーザ」です。

従来のタミフル、リレンザなどの抗インフルエンザ薬とは異なる方法でインフルエンザを治療する薬が発売されたとあって、テレビなどのマスコミ報道は過熱。
インフルエンザの特集が組まれるたびに、ゾフルーザばかりが紹介されています。

でも…
ゾフルーザってどんな特徴のお薬なのか、テレビではちゃんと解説されていないんですよね。

ゆず
これじゃ、患者さんが自分に本当に必要な薬なのか、分からないじゃない〜!!
と、テレビの前で一人プリプリしちゃいました。

外来では、ゾフルーザの処方を希望される患者さんも多数いらっしゃいますが、私が2018/2019年シーズンのインフルエンザに一番良いと考えるのは、タミフルです。

本記事では、ゾフルーザとタミフルと徹底比較しながら、

・どっちがより効果が高いのか?
・どっちが安全なのか?
・耐性は大丈夫?
・子ども、妊娠中、授乳中におすすめなのはどっち?
・予防投与はできる?

といった感じで、ゾフルーザがどんなお薬なのかを詳しく解説し…
それを踏まえて、なぜ私が2018/2019年シーズンの抗インフルエンザ薬にタミフルを推すのか、その理由をお伝えします。

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目次

ゾフルーザがインフルエンザに効く仕組み

まずはじめに、タミフルなど従来の抗インフルエンザ薬とゾフルーザの違いについて解説しますね。

これは、インフルエンザウイルスがヒトの体の中で増殖する様子の模式図です。

外から入って来たインフルエンザウイルスは、のどや鼻の粘膜の細胞に侵入し、細胞の中で増殖します。
増殖したウイルスは細胞の外へと放出され、次の新しい細胞の中に侵入してまた増殖。

こうして、インフルエンザウイルスはヒトの体内でどんどんと増えていきます。

タミフルはウイルスを細胞の中に閉じ込める

タミフルは「ノイラミニダーゼ阻害薬」という種類のお薬。
ノイラミニダーゼ阻害薬であるタミフル、リレンザ、イナビルは、細胞の中で増殖したインフルエンザウイルスが、新たな細胞を求めて細胞の外へと放出されるのをストップします。

なので…
タミフルを投与すると、インフルエンザウイルスは細胞の中では増殖することができますが、増えても細胞の外へ出ることができないため、増殖が頭打ちになります。

ゾフルーザは細胞内でインフルエンザウイルスが増えないようにする

一方、ゾフルーザは細胞内でインフルエンザウイルスが増殖するのを抑えるお薬です。
インフルエンザウイルスは、細胞の中に侵入するとウイルスのコピーをどんどん作って増殖するのですが、コピーを作らせないようにするのがゾフルーザです。

このように、タミフルとゾフルーザでは、インフルエンザウイルスを増やさないようにする方法が全く違うんですね。

ゾフルーザはタミフルと比較すると、ウイルス量が早く減る

タミフルは細胞内での増殖までは抑えられないのに対し、ゾフルーザは直接ウイルスの増殖を抑える力があります。
このため、ウイルスを減らすスピードはタミフルよりも速いというデータが出ています。

臨床試験データの図をお見せしますと…

赤い線がゾフルーザのウイルス量。
そして、青い線がタミフルのウイルス量です。


NEJM 2018; 379: 913-923より引用

2日目、3日目のところでは、ゾフルーザの方が統計学的な有意差をもってウイルス量が少ないことが示されました。

ここまでのところを一旦まとめると、

・タミフルはインフルエンザウイルスを細胞内に閉じ込めて、増殖を頭打ちにする薬
・ゾフルーザはインフルエンザウイルスが細胞内で増殖するのにストップをかける薬
・ゾフルーザはタミフルより早くインフルエンザウイルスを減らす

ということになります。

なんだか、タミフルよりもすごい薬っぽいかも…!
と思いました?

そんなゾフルーザですが…
あなたが本当に知りたいのは、例えば

・タミフルより早く治るのか?
・副作用は大丈夫?
・子どもや妊婦さん、授乳中の場合は飲める?
・タミフルみたいに耐性が出ているの?
・新しいお薬だから、費用は高いの?
・近所のクリニックでも処方してもらえる?

なんてことですよね。
そんな色々な疑問に対する答えを、ここからは1つ1つお答えしていきます。

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ゾフルーザとタミフルを徹底比較!効果・副作用・耐性・小児への投与…あなたの疑問に答えます

いよいよゾフルーザの特徴について解説するわけですが…

少しでも分かりやすいようにと、Q&A方式でまとめてみました。
15の質問とその答えになっていますので、知りたい項目だけ読んでいただいても大丈夫。

ただ、最後の15番目だけは、ぜひしっかりと目を通して下さいね。

では、始めましょう!

Q1. ゾフルーザとタミフルの服用方法の違いは?

ゾフルーザは、たった1回だけ内服すれば良いお薬です。

タミフルは、1日2回、5日間内服する必要があります。
タミフルを服用中に症状が良くなっても、ちゃんと5日間最後まで飲みきって下さいね。
中途半端な内服は、耐性ウイルスを増やす原因になります。

Q2. ゾフルーザとタミフル、どっちが早く治る?

冒頭で、ゾフルーザの方がタミフルよりウイルスの量が早く減ると解説しました。
なら、ゾフルーザの方が早く治りそうですよね?
実際に、早く治ると思っている患者さんも多いのですが…

答えは、「同じ」です。

・ゾフルーザとタミフルで、インフルエンザの症状改善までにかかる時間に差はなかった
・ゾフルーザもタミフルも、抗インフルエンザ薬を飲まなかった場合に比べて、約1日早く熱が下がった

という結果が、臨床試験で出ています。

詳しくは、以下の記事で解説しています。

Q3. ゾフルーザの副作用は?タミフルとどっちが安全?

タミフルなどの抗インフルエンザ薬の主な副作用には

・下痢
・嘔気、嘔吐
・腹痛

がありますが、ゾフルーザでも同様にお腹の副作用が起きやすいと言われています。

臨床試験の結果では、タミフルよりやや副作用の報告は少ないです。
(タミフル24.8%、ゾフルーザ20.7%)

ですが、ゾフルーザは市販後まだ間もないため、今後新たな副作用が報告される可能性も。
実際に、販売後に重篤な副作用が報告されて、市場から姿を消したお薬っていくつもあるんですよ。

その点、タミフルの日本での発売は2001年。
長期にわたり多くの患者さんが内服した実績があるため、新たな副作用が報告される可能性は、ぐっと低くなります。

また、ゾフルーザは1回飲むだけで長く効くお薬。
困った副作用が出た時、タミフルなら服用を中止すれば良いですが、ゾフルーザではそうは行きません。
もし変な副作用が起きても、薬がなかなか体から抜けず、副作用が長引くかもしれないんです。

・タミフルには長期に渡って処方されているため、データが豊富
・ゾフルーザは1回内服タイプのため、副作用も長引く可能性あり

という2点から、現時点では安全性はタミフルに軍配が上がります。

Q4. ゾフルーザは発熱から48時間以上経っていても内服できる?

タミフルなどの抗インフルエンザ薬は、発熱から48時間以上経過していると、効果が期待できません。
すでにウイルスが増えきっていて、お薬を使っても使わなくても、症状が良くなるまでにかかる時間は変わらないからです。

先生
インフルエンザのお薬は使っても意味がないから、解熱剤だけ出しておきましょうね。
ということに。

ゾフルーザは直接ウイルスの増殖を抑えられるお薬、なのですが…
やはり。
タミフルなどの他の抗インフルエンザ薬と同様、48時間を過ぎた場合には効果が得られるというデータがなく、内服は推奨されません。

Q5. ウイルスが早く減るなら、休む期間も短くていい?

ゾフルーザを飲めばウイルスが早く減るんだもん、休む期間も短くてOKだよね?
な〜んて考える方もいらっしゃるようですが…

残念ながら、ゾフルーザを使った場合でも、一般的な「発症後5日、解熱後2日」(保育園や幼稚園では「発症後5日、解熱後3日」)と同じです。
ゾフルーザを使用しても、耐性などの理由からウイルス排泄が長引く患者さんがいます。
だから、しっかり治癒しないと登園、登校はできないんですね。

治るまでにかかる期間はゾフルーザとタミフルで『同じ』でしたから、ゾフルーザの方が早く学校へいけるということはありません。

いつから登園、登校できるかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

耐性の報告については、次のQでお答えしますね。

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Q6. ゾフルーザとタミフル、耐性ウイルスが多いのはどっち?

耐性ウイルスとは、お薬が効かない(又は効きにくい)ウイルスのこと。
ウイルスの遺伝子が変異することによって、薬が効かなくなることは珍しくありません。
耐性化してしまうと、

・お薬が効かない(効きにくい)
・治療しても症状が長引く
・ウイルスを排泄する(他の人にうつす)期間が長引く

といったことが起こり得ます。

先日、日本でゾフルーザの耐性株が出たことがニュースになりました。
でもこれ…実は、臨床試験の結果から予測されていたことだったんです。

ゾフルーザの臨床試験では、

・成人で10%弱
・小児で20%以上

の人に、耐性ウイルスが検出されました。

耐性ウイルスが検出された人の中には、一度減っていたウイルスの量がリバウンドしたり、熱が長引くなどの症状が現れた人も。

一方タミフル耐性ウイルスの報告ですが、最近5年くらいだと…

タミフル耐性ウイルスの検出状況

シーズン ウイルスの型 タミフル耐性の検出率
2017/2018年 H1N1 1.7%
2016/2017年 H1N1 1.1%
2015/2016年 H1N1 1.9%
2014/2015年 H3N2 0.3%
2013/2014年 H1N1 4.1%

国立感染症研究所 抗インフルエンザ薬耐性株サーベイランスより引用

2013/2014年のシーズンだけは4.1%とちょっと多いですが、あとは軒並み2%未満です。
(子供の場合だと、臨床試験時のデータで4%ほどです。)

これらの結果から、耐性ウイルスの出現は、タミフルよりゾフルーザで5〜10倍ほど多いと言えます。

なお、2018/2019年シーズン(2019年1月28日現在)、日本国内でのタミフル耐性ウイルス検出率は0.2%(A型H1N1)にとどまっていますよ。

Q7. ゾフルーザは子どもでも使用できる?

ゾフルーザは、小児でも承認はされています。
添付文書上は

・体重10kg以上
・年齢の制限は特になし

という条件で処方が可能です。
ですが、私は現時点ではお子さんの治療にゾフルーザを使用することはおすすめしません。
もしうちの子がインフルエンザにかかっても、ゾフルーザを飲ませることはないでしょう。

ゾフルーザの主な臨床試験は、12歳〜64歳で実施されました。
なので、小児に投与した場合の効果や安全性に関するデータは不十分と言わざるを得ません。

また、添付文書にも記載がありますが…

・低出生体重児
・新生児
・乳児

へは、なんと…投与経験がありません。

この様な状況を受けて、日本小児科学会では、2018/2019年シーズンのインフルエンザ治療指針の中で

「同薬の使用については当委員会では十分なデータを持たず、現時点では検討中である。」

と明記しています。

タミフルの10代のお子さんへの処方制限は、2018年に解除されました。
タミフルでは日本国内でも2001年に発売されて以降長期にわたるデータが蓄積され、赤ちゃんからお年寄りまで使えます。

現時点では、子どもに積極的にゾフルーザを使用する理由はありません。
もし抗インフルエンザ薬を使うのであれば、私はタミフル(又はリレンザ)をおすすめします。

子どもへの抗インフルエンザ薬の処方については、以下の記事で詳しく解説しています。

Q8. ゾフルーザは妊娠中に内服できる?タミフルはどう?

ゾフルーザでは妊娠中の投与に関するデータがありません。
服用は避けるべきと思います。

タミフルは妊娠中でも内服が可能です。
添付文書を読むと

5. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投 与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していな い。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。]

タミフル添付文書より引用

という記載があって、内服して良いのかどうか迷うと思いますが…
日本産婦人科学会では

タミフルの投与を受けた場合に出生児への有害事象の増加はなかった

と報告しています。
タミフルであれば妊婦さんでも安心して服用できますので、早くインフルエンザを治して下さいね。

妊娠中の抗インフルエンザ薬の内服については、以下の記事で詳しく解説しています。

Q9. ゾフルーザは授乳中に内服できる?タミフルは?

ゾフルーザは、ラットで母乳への薬剤移行が認められています。
ヒトではデータがない状況ですが、授乳中に内服する場合には授乳を避ける様にと記載されています。
これより、授乳中には内服すべきでないと思います。

タミフルは、授乳中であっても、授乳を止めることなく内服することができます。
タミフルの添付文書には

5. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(2)授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母 乳中へ移行することが報告されている。]

タミフル添付文書より引用

と記載されていますが、日本産婦人科学会からは、

『授乳中にタミフルを内服しても、授乳を制限する必要なし』

との提言が出されていますよ。

授乳中の抗インフルエンザ薬の内服については、以下の記事で詳しく解説しています。

Q10. ゾフルーザは粉砕しても大丈夫?

錠剤が飲めないから粉薬にしたい…という場合もありますよね。

ゾフルーザ、粉砕はOKなんですが、粉にすると苦くて飲みにくいとの情報が。
顆粒のお薬も出ていますが、体重20kg未満の方には顆粒の処方はできません。

粉薬を希望する場合…

・体重20kg以上の場合は、粉砕するよりは顆粒がおすすめ
・体重20kg未満の場合は、粉砕するしかないが、苦い

となります。

タミフルは、赤ちゃんから内服できるお薬で、もちろん顆粒タイプもあります。

ちなみに…
何かに混ぜて飲ませる場合、飲みやすくなる組み合わせ、飲みにくくなる組み合わせは以下の通り。

◯ ヨーグルト、チョコアイス、ココア、オレンジジュース、スポーツドリンク
× 乳酸菌飲料、アイスクリーム

タミフル以外の粉薬で、飲みやすくなる組み合わせが知りたい…という場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

Q11. ゾフルーザとタミフル、治療費はどれくらい違うの?

一般的な成人に処方した場合にかかる費用を比較しますね。
治療1コースの費用が、1回インフルエンザにかかった時に必要となる費用です。

※ゾフルーザは1回2錠、1回だけ内服
※タミフルは、1回1カプセル1日2回、5日間内服

1錠の費用 治療1コースの費用
ゾフルーザ 2394.5円 4789円
(体重80kg以上は9578円)
タミフル 272円 2720円
タミフル後発品(ジェネリック) 136円 1360円

上記の金額はお薬の価格だけなので、その他にかかる診察料などは含まれていません。
保険証によって、この3割とかが支払額になります。

ゾフルーザで治療したのと比較すると、タミフルでは2069円(3割負担で620円)、タミフルの後発品なら3429円(3割負担で1028円)も安くなります。

Q12. ゾフルーザは予防のために内服できる?

抗インフルエンザ薬の中で、予防投与に使えるのは

・タミフル
・リレンザ
・イナビル

の3つだけ。
ゾフルーザは予防のために内服することはできません。

ただし、予防内服には条件があります。

うちの子、受験生なのにクラスのお友達でインフルエンザが流行しちゃって。
受験のために予防のお薬処方してもらわないと!
っていうのは、実はダメです。

予防投与が推奨されるのは

①同居する家族にインフルエンザを発症した人がいる
②インフルエンザにかかった場合に重症化のリスクが高い

上記①、②の条件を二つとも満たした人です。

なお、重症化リスクが高い人というのは、

・5歳未満の小児(特に2歳未満)
・65歳以上の高齢者
・肺、心臓、腎臓、肝臓、神経などに、慢性の疾患を抱えている人
・血液疾患(白血病など)、代謝性疾患(糖尿病など)がある人
・妊娠中の女性
・産後2週間以内の女性
・病的肥満
・長期療養施設などに入所中の人

などの条件に当てはまる場合。

上記の2つの条件に両方当てはまる場合には、お近くのクリニックでお薬の相談をしてみて下さいね。
予防のためのお薬は、自費のため10割負担となりますのでご注意を。

Q13. ゾフルーザに、家族内での感染防止効果はある?

ゾフルーザは内服後、早いスピードでウイルスを減らす効果があります。
ラピアクタという抗ウイルス効果の高いタイプのインフルエンザ薬(点滴薬)で、周囲への感染がタミフルより少なかったという報告があるため、ゾフルーザも同じ様に、周囲へインフルエンザをうつしてしまう確率を減らせるのではないか…と期待されています。

しかし、実際にゾフルーザを内服して実際に周囲への感染が減ったというデータはまだありません。
ということで、現時点では「分からない」が答えになります。

家族内での感染防止策については、抗インフルエンザ薬以外にもできることがたくさんあります。10の対策についてまとめましたので、そちらも参考になさって下さい。

Q14. ゾフルーザはどこで処方してもらえる?

ゾフルーザはお近くのクリニックなどでも処方してもらうことができます。
大きな病院である必要はありません。
ただ、もし確実に処方を受けたいということであれば、事前に問い合わせをした方がいいでしょう。

千葉県にある亀田メディカルセンターの様に、『今季うちではゾフルーザは処方しません』という病院もありますので、個別に確認が必要です。

Q15. ゾフルーザとタミフルなら、どっちがおすすめですか?

私がおすすめするのは、タミフルです。
理由は、以下の通り。

・ゾフルーザとタミフルの効果は引き分け(どちらも1日早く解熱する)
・タミフルの方が歴史が古いため、安全面で優っている
・ゾフルーザの方が耐性ウイルスの報告が多い
・小児や高齢の方ではデータが少ない
・妊婦さんや授乳中の方でのデータがない
・ゾフルーザの方が薬価が2倍以上高い

特に、

・12歳未満の小児
・65歳以上の高齢の方
・妊娠中、授乳中の方

では、内服するのであればタミフルをおすすめします。

まとめ

この記事では、2018年に新しく発売された抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」について、主にタミフルと比較しながら解説してきました。
あなたの疑問は解消されたでしょうか?

最後に、15個の質問と答えをまとめますね。

もしインフルエンザにかかってしまった時には…
あなたにとってのメリット、デメリットを考えた上で、お薬を先生とよく相談してみて下さい。

Q1. ゾフルーザとタミフルの服用方法の違いは?

ゾフルーザ:1回だけ内服すればOK
タミフル:1日2回、5日間内服する必要があります

Q2. ゾフルーザとタミフル、どっちが早く治る?

どちらも、お薬なしと比較して平均1日早く解熱します。
効果は引き分けです。

Q3. ゾフルーザの副作用は?タミフルとどっちが安全?

下痢などの消化器症状がメイン。
副作用は似ているが、タミフルの方が歴史が長いため安全です。

Q4. ゾフルーザは発熱から48時間以上経っていても内服できる?

発熱から48時間以上経過していると、内服しても改善効果が期待できません。
これはタミフルも同じです。

Q5. ウイルスが早く減るなら、休む期間も短くていい?

ゾフルーザで治療した場合にも、登園・登校基準は変わりません。

Q6. ゾフルーザとタミフル、耐性ウイルスが多いのはどっち?

ゾフルーザは成人で10%弱、小児で20%以上の割合で耐性ウイルスが報告されました。
タミフルは年によって違うが2%程度のため、明らかにゾフルーザで多いです。

Q7. ゾフルーザは子どもでも使用できる?

ゾフルーザの処方は年齢の制限はないが、体重10kg以上という条件があります。
小児への投与に関する情報は少ないため、慎重になる必要あり。
タミフルは赤ちゃんから使用可能。

Q8. ゾフルーザは妊娠中に内服できる?タミフルはどう?

ゾフルーザは妊娠中の方への投与はおすすめしません。
タミフルは安全に使用できます。(日本産婦人科学会の提言あり)

Q9. ゾフルーザは授乳中に内服できる?タミフルは?

ゾフルーザは授乳中の方への投与はおすすめしません。
タミフルは安全に使用できます。(日本産婦人科学会の提言あり)

Q10. ゾフルーザは粉砕しても大丈夫?

ゾフルーザは粉砕できますが、粉にすると苦い。
顆粒は体重20kg以上であれば処方可能。
タミフルには赤ちゃんから内服可能なドライシロップがあります。

Q11. ゾフルーザとタミフル、治療費はどれくらい違うの?

ゾフルーザ:4789円
タミフル:2720円
タミフルの後発品:1360円

(体重80kg未満の成人の場合)

Q12. ゾフルーザは予防のために内服できる?

ゾフルーザは予防投与のための処方はできません。
タミフルは予防投与にも使うことが可能です。

Q13. ゾフルーザに、家族内での感染防止効果はある?

ゾフルーザではまだデータがなく、現状ではよく分かりません。

Q14. ゾフルーザはどこで処方してもらえる?

大きな病院でなくても、クリニックなどで処方してもらえるはず。
念のため、事前に確認を。

Q15. ゾフルーザとタミフルなら、どっちがおすすめですか?

タミフルがおすすめ。理由は以下の通りです。

・ゾフルーザとタミフルの効果は引き分け(どちらも1日早く解熱する)
・タミフルの方が歴史が古いため、安全面で優っている
・ゾフルーザの方が耐性ウイルスの報告が多い
・小児や高齢の方ではデータが少ない
・妊婦さんや授乳中の方でのデータがない
・ゾフルーザの方が薬価が2倍以上高い

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