授乳中の風邪…辛い症状に使えるお薬はどれ?現役内科医ママが解説します。

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。

一段と寒くなり、風邪が流行する季節になりました。
外来には、日々たくさんの風邪症状に悩む患者さんがやってきます。
こちらも風邪の診療は慣れたもので、困ることなんてほとんどないのですが…

患者さん
風邪で咳が辛くて辛くて…。
生後2ヶ月の赤ちゃんに授乳中なんです。
こんな患者さんがいらっしゃると、笑顔で対応しつつも内心では困ったな…と思ってしまうことも。

今日は、授乳中のママが風邪をひいてしまった時、辛い風邪症状に対し授乳中でも使えるお薬はどれなのかを解説します。

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授乳中のママの風邪は意外と多い

授乳中のママの風邪は、実は意外と多いです。
その理由は…お子さんからうつるから!

特に、お子さんが保育園に通っている場合、どんどん風邪のウイルスを家庭に持ち帰ってきます。
そして、ウイルス入りのよだれたっぷりの手を、大好きなママのお顔に…
これでうつらない訳がありませんね。

更に、産後のママは昼夜を問わず赤ちゃんのお世話をしているため、体力が低下しています。出産前には風邪ひとつ引かなかった丈夫なママでも、産後に次々と風邪を引いてしまうこともしばしば。

かくいう私も、娘が生後5ヶ月で保育園に入園し、娘経由で風邪をはじめとした様々な感染症を次から次へともらってしまい、あの頃は本当に大変でした。

辛い風邪症状、授乳中でも内服できるお薬はどれ?

授乳中のママはお薬が飲めない…?

いいえ、そんなことはありません。授乳中でも内服できるお薬はたくさんあるんですよ。
ここからは、授乳中でも使用できるお薬について、症状別に解説していきますね。

熱や痛みの症状

風邪の時によくある、辛い熱や痛みの症状。例えば、

・発熱による頭痛や悪寒
・関節痛
・全身倦怠感

こんな症状には、解熱鎮痛薬を使用することができます。

授乳中のママに最も安全に使用できる解熱鎮痛薬は、アセトアミノフェンです。
そのほかにイブプロフェンも内服可能です。

成分名 商品名
アセトアミノフェン カロナール、コカールなど
イブプロフェン ブルフェンなど

ロキソプロフェン(ロキソニン)は上記の2剤に比べると安全面での検証はやや劣りますが、やはり内服可能なお薬です。
アセトアミノフェンやイブプロフェンでは取れない辛い痛みや熱に対しては、ロキソプロフェンがお勧めです。

鼻水・鼻づまりの症状

風邪を引いた時に出る、辛い鼻の症状。鼻づまりのせいで寝苦しくなることもありますよね。

・水のような鼻水がタラタラと流れる
・鼻の中が腫れぼったく詰まっている

こんな症状には、一部の抗ヒスタミン剤を使用することができます。

成分名 商品名
ジフェンヒドラミン レスタミン、ベナなど
フェキソフェナジン アレグラなど
ロラタジン クラリチンなど

上記の中で、ジフェンヒドラミンは古いタイプの抗ヒスタミン剤で、副作用として強い眠気を催すことがあります。
ただでさえ睡眠不足のママにとって、眠気が強いお薬はかえって辛い場合も。
夜間授乳があるような場合には、フェキソフェナジンやロラタジンの方が適しています。

喉の痛み

喉の痛みに対しては、内服薬よりもうがい薬が適しています。
うがいなら、血液中のお薬の濃度が上がらないので安心ですね。

成分名 商品名
アズレンスルホン酸ナトリウム アズノールうがい液

アズノールうがい液は喉の炎症を抑えるタイプのお薬で、最もお勧めです。
口内炎にも効果が期待できますよ。

ヨードうがい薬(イソジンなど)は殺菌・消毒作用のあるうがい薬です。
うがいとして使用するのはOKですが、喉に噴射するタイプをたくさん使ってしまう(ごくごく飲むようなイメージ)のはお勧めしません。

咳の症状

冒頭の授乳中のママの例に出しましたが、授乳中のママにお薬を処方するにあたり、実は一番困るのが咳止めのお薬です。

咳止め作用の強いお薬は、赤ちゃんの呼吸を弱くしてしまう副作用があるため、特に低月齢のお子さんに授乳中のママには決してお勧めできない…というのがその理由です。
授乳中のママは、市販の咳止め液などは内服しないようにしましょう。

敢えて使用するとすれば、漢方薬をお勧めします。

成分名 商品名
バクモンドウ他 麦門冬湯エキス顆粒

風邪で咳が出ている時は、十分な水分を取ることは咳を和らげることに効果があるとされています。
熱が出ていたり、食欲がなかったりして脱水になると、咳の症状も良くなりません。
しっかり水分を摂るように心がけてくださいね。

実は、風邪の咳症状を和らげるお薬はない!?

2017年、米国胸部医学会からなんともショッキングな報告がなされました。
なんと、様々な咳止めのお薬や民間療法などの治療法について、論文などを専門家たちが精査した結果…

「風邪による咳を抑えるために、有効だと科学的に言える治療法はない。咳止めや風邪薬を飲むことは風邪の咳に対しては推奨されない」

こんな結論を出したのです。
もちろん、お薬の効果には個人差があるので、一概に咳止め薬が効かないとは言い切れないかもしれませんが…

少なくとも、授乳中のママが咳止め薬を飲むことは、この報告からはお勧めできないのかな…とゆずは考えます。

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しつこく続く咳、喘息や肺炎ということも

風邪による咳なら、多少長引くことはあっても2週間程度あれば自然に治ります。
もしもっと長く続く場合には、風邪以外の原因も考えなければなりません。
風邪以外の原因としては、

・マイコプラズマ肺炎や百日咳
・喘息、咳喘息、アトピー咳嗽などのアレルギー性の病気
・肺炎

例えば、このような病気が考えられます。

・2週間以上続くひどい咳
・だんだん悪化してくる、または良くなる兆しが全くない
・高熱が続く、または一度熱が下がっていたのに再び高熱が出た
・胸が痛む

こんな場合は、我慢して様子を見るのではなく、一度受診した方が良いでしょう。

授乳中のママは病院で処方を受ける方が安心

これまでご紹介してきたお薬の中には、病院を受診しなくても薬局で手に入るものがたくさん含まれています。
ロキソニンやアレグラはその代表といえますし、うがい薬や漢方薬も手に入ります。
ご自身で責任を持って成分名まで確認して内服できる場合は、薬局で購入してもOKです

注意点としては、市販の感冒薬はほとんどが複数の成分を含む総合感冒薬です。
ご紹介した成分が入っているお薬でも、授乳中のママが飲んではいけない成分が一緒に含まれている可能性も。

また、授乳中のママは体力が低下していることが多いため、ご自身では風邪だと思っていた症状が、実は肺炎などの重い病気だった…なんてことも実際に起こっています。

・その症状が本当に風邪なのかを見極めてもらえる
・授乳中でもOKなお薬をプロの目で選んでもらえる

こういった理由から、授乳中のママは病院で処方を受ける方が安心かな…と思います。
受診の際には、必ず授乳中であることを先生に伝えることをお忘れなく。

風邪にまつわる基礎知識ならこちらもお勧め

授乳中のママに特化した記事ではないのですが、風邪にまつわる基礎知識をご紹介している

【風邪は早く受診すれば早く治る!?抗生物質は必要?よくある風邪の疑問を内科医ママが解説します。】

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こちらの記事もお勧めです。

また、処方箋なしで購入できる市販の解熱鎮痛薬については、

【処方箋なしでドラッグストアで購入できる、眠くならない解熱鎮痛薬はどれ?妊娠中、授乳中にも使える?現役内科医ママが解説します!】

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こちらに解説しました。
ぜひ一度ご覧になって下さいね。

まとめに

今日は、授乳中のママでも風邪を引いた時に使用できるお薬について解説しました。
最後に、ご紹介したお薬をまとめておきますね。

痛みや熱に

成分名 商品名
アセトアミノフェン カロナール、コカールなど
イブプロフェン ブルフェンなど

鼻水・鼻づまりに

成分名 商品名
ジフェンヒドラミン レスタミン、ベナなど
フェキソフェナジン アレグラなど
ロラタジン クラリチンなど

喉の痛みに

成分名 商品名
アズレンスルホン酸ナトリウム アズノールうがい液

咳に

成分名 商品名
バクモンドウ他 麦門冬湯エキス顆粒

全ての風邪の患者さんに言えることですが、休息に勝るお薬がないこともまた事実。
できることなら一人で頑張りすぎず、ご主人やご両親などに協力してもらって、ママが体を休める時間も作ってください。

この記事が、授乳中お薬を飲んで良いのか迷っているママのお役に立てれば幸いです。

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