ドラム式洗濯乾燥機で子どもが窒息死…悲しい事故を防ぐために、ご家庭でできる6つの対策とは?

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。

わが家は夫婦と4歳の娘の3人暮らしです。
夫はもちろん、私もほぼフルタイムの勤務をしているため、娘は0歳の頃から保育園へ通っています。
そんなわが家で毎日大活躍なのが、ドラム式洗濯乾燥機。
これがなかったら、日々のたくさんのお洗濯を、働きながらこなすことはできなかったと思う位、本当にお世話になっています。

ところが先日、痛ましい事故が報道されました。
5歳の子どもがドラム式洗濯乾燥機の中に入って閉じ込められ、窒息して亡くなってしまったのです。

小さいお子さんがいるご家庭ほど、便利に使いたいドラム式洗濯乾燥機。
ですが、こんな身近なところに、小さな子どもの命を脅かす危険が潜んでいました。
今日は、ドラム式洗濯乾燥機の秘めるご家庭内での危険性と、子どもを事故に遭わせない為の対策について、ご紹介したいと思います。

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ドラム式洗濯乾燥機で、なぜ子どもが亡くなる事故が起こるのか

わが家では日立のビッグドラムという機種のドラム式洗濯乾燥機を、かれこれ5年以上使っています。
娘を妊娠中に購入したもので、娘が生まれて洗濯物が増えてからは、特に活躍してきました。
今では、手放せない存在となっています。

そんな、子育て家庭にはとっても便利なドラム式洗濯乾燥機ですが、実は過去に何件も子どもが窒息死する悲しい事故が起こっているんです。

ドラム式洗濯乾燥機で起こる、子どもの窒息死

ドラム式洗濯乾燥機で起こる子どもの死亡事故は、どの様にして起こるのでしょうか。

「息子が洗濯機に入った状態で、意識と呼吸がない」

119番があったのは27日午後3時ごろ。現場は堺市堺区海山町1丁の住宅で、堺署によると、この家に住む男児(5)がドラム式洗濯機の中から意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。男児に目立った外傷はなかった。

同署によると、洗濯機は高さ約1メートル、幅約70センチ、奥行き約60センチ。父親(32)が1階の洗面所にある洗濯機の中にいる男児を発見し、通報した。洗濯機は動いておらず、ふたが閉まった状態だったという。

男児は両親と3人暮らし。父親は「27日正午ごろ、男児と昼食を食べ2階で昼寝をしていたが、目を覚ますといなくなっていた。洗濯槽でぐったりしており、助けなければと思った」と当時の状況を説明している。母親は外出して不在だった。

出典:産経WEST

2018年1月に起こった事例では、父親が昼寝をしていた間に、子どもがドラム式洗濯乾燥機の中に入って閉じ込められてしまった様です。

その他の事例としては、2015年にも7歳の男の子が亡くなる事故が。

東京都青梅市の住宅で今月、男児(7)がドラム式の洗濯乾燥機の中に閉じ込められ、死亡していたことが25日、警視庁青梅署への取材で分かった。

洗濯乾燥機はふたが閉まると内側からは開けられない構造で、同署は男児が誤って中に入って閉じ込められて呼吸ができなくなって死亡したとみて、詳しい経緯を調べる。

同署などによると、8日午前1時40分ごろ、男児の母親が「息子が洗濯機の中に入っていた」と119番通報。男児は心肺停止の状態で、病院に搬送されたが、死亡が確認されたという。

出典:iza(産経デジタル)

この様に、子どもが親の目が届かない隙にドラム式洗濯乾燥機の中に入ってしまい、扉が閉まって閉じ込められてしまうことで事故が発生しています。

なぜドラム式洗濯乾燥機の中で子どもが窒息死してしまうのか

ドラム式洗濯乾燥機は、扉が横向きについています。
出し入れも簡単だし、縦型の製品よりも一般的には少ない水量で洗濯ができるのが特徴です。

ところが、この形だと扉位置が低いため、簡単に子どもが中に入れてしまいます。
また、洗濯や乾燥をしている時に水がこぼれない様、気密性が抜群に高く作られているんです。

更に、洗濯や乾燥をしている時に、扉には圧がかかります。
特に、たくさんの洗濯物で洗濯機を回している時はなおさらです。
稼働中に誤って扉が開く事故が起きない様、洗濯乾燥機の扉は内部からは開けられない構造をとっていることが多いのです。

・扉の位置が低く、子どもが入りやすい構造
・高い気密性
・内部からは扉を開けられない機種が多い

この3つが、子どもがドラム式洗濯乾燥機の中に閉じ込められて、窒息死してしまう事故が起こる理由です。

縦型の洗濯機でも、子どもが亡くなる事故は起きている

ドラム式洗濯乾燥機で事故が起こると聞いて、「我が家は縦型だから安心」と思った方、実はそれは間違いです。
過去には、水を張った洗濯槽に子どもが転落し、溺水した事故も起きています。
縦型の洗濯機を使っている場合にも、注意が必要なんですね。

ドラム式洗濯乾燥機で起こる子どもの閉じ込め事故を防ぐための対策とは?

ドラム式洗濯乾燥機で起こる、子どもの悲しい事故。
日本だけではなく、海外でも報告されており、世界的な問題である様です。

以前勤務していた三次救急病院では、事故に遭い、救急搬送されたお子さんの初療に当たることもありました。
さっきまで元気だったはずのお子さんが事故で亡くなったり、重篤な障害を残してしまった時は、親でも親戚でもないただの医師であっても、本当に悲しかった…

かわいいわが子を身近な危険から守ってあげるために…ドラム式洗濯乾燥機を使用している全てのご家庭で今すぐ取り組んでいただきたい、予防策をご紹介したいと思います。

1. 常に扉は閉めておく

ドラム式洗濯乾燥機の扉は、ちょっとしたはずみで簡単に閉まってしまうことがあります。
一方で、開けるときはレバーを握るなどのコツがあったり、結構力が必要だったりしますよね。

使っていない時の洗濯乾燥機、中のドラムを乾かしたいと、つい開けたままにしてしまうご家庭もあると思いますが、常時閉めておくことをお勧めします。

2. チャイルドロック機能を利用する

多くのドラム式洗濯乾燥機には、チャイルドロック機能がついています。
それは、メーカーさんが子どもが中に入って事故に遭う危険性をわかっているからです。

チャイルドロック機能は、機種によって操作方法が異なります。

・ロックをするまでにいくつか液晶パネルを操作するタイプ
・決まったボタンを3秒など、長押しするタイプ

この2つが多い様ですね。
我が家のビッグドラムは、高いところにあるボタンを3秒長押しでした。

ママ
長押しくらいじゃ、子どもにも簡単にロックを解除されちゃうんじゃない!?
そう思われるかもしれませんが、3秒って実際に押してみると結構長いんです。
ある程度大きなお子さんが「3秒押してやろう!」と思えばできるかもしれないけれど、3歳、4歳の子どもでは解除はかなり難易度が高いと思います。

子どもが洗濯機の中に入ってしまうまでのハードルは、多ければ多いほどいいです。
どんなに簡単そうな方法に思えても、チャイルドロック機能は必ず利用しましょう。

ご自宅に取扱説明書があれば、そちらを確認しましょう。
また、多くの機種では取扱説明書がネット上でも閲覧できる様になっています。
機種名で検索し、取扱説明書を探してみてください。

もし、取扱説明書を見てもよくわからない…とか、機械が苦手…という場合には、コールセンターに連絡して教えてもらいましょう。
代表的なメーカーさんの連絡先を下記にまとめます。

パナソニック 0120-871-353
パナソニック(三洋電機製) 0276-61-9826
日立アプライアンス 0120-3121-11
シャープ 0120-078-178
東芝ライフスタイル 0120-1048-76
LG Electronics Japan 0120-813-023
アクア 0120-880-292
ミーレ・ジャパン 0120-310-647

3. 近くに踏み台になる様なものを置かない

自力で簡単にはドラム式洗濯機の中によじ登れそうにない、比較的小さなお子さん(お子さんの成長にもよりますが、未就学児くらいが目安でしょうか)の場合は、足場をなくすことも重要です。

ベランダからの転落事故でも、足場になる様なものがあった為によじ登って転落してしまった事例が多くあります。
これと同じ様に、洗濯乾燥機の中に入るための足がかりとなりそうなものは、洗濯機の近くには置かない様にしましょう。

4. ゴムバンドで開閉を防止する方法も

チャイルドロック機能がない機種を使っている場合や、より何重にも防止策を講じたいという場合には、ゴムバンドを使って開閉を防止する方法もあります。

接着剤でつけるフックを2つ用意し、洗濯機の両サイドにしっかりと接着します。
ゴム紐を輪にした状態にして、両サイドのフックに引っ掛けます。
(参考:日本赤十字社 こどもの事故予防)

子どもの力では簡単に外せない位きつめになる様、ゴム紐の長さを調節する必要がありますが、ちゃんとセットできれば、お子さんが洗濯乾燥機の扉を開けるまでの障害の役割を果たしてくれると思います。

5. 子どもにしっかりと説明をする

最後にご紹介するのは、子どもにしっかりと説明をするという方法です。
もちろん、他の方法と組み合わせていただきたいのですが、どの方法をとるとしても、お子さんにお話しして聞かせるという事は、全てのご家庭でできる事だし、取り組んでいただきたいと思います。

我が家では娘のみかんに「洗濯乾燥機に子どもが閉じ込められ、息ができなくなってとうとう死んじゃった事故が起きた」ということを、包み隠さず話しています。

・扉がはずみで簡単にしまってしまうこと
・閉じ込められると中からは開かないこと
・閉じ込められるとどんどん息が苦しくなって、最後は死んでしまうこと
・もしみかんが死んじゃったら、パパもママも、じいじもばあばも、み〜んな悲しいこと

こういうことを、繰り返し話す様にしています。
「そんな恐ろしいことを子どもに聞かせて…」そう思うかもしれません。
でも、子どもは本当に好奇心が強いし、親の想像を超えてどんどん行動範囲が広がります。

たとえ怖い話を聞かせることになっても、子どもの命が守られるのなら、いいと思いませんか?

また、「うちの子はまだ小さいから、言ってもわからないよ…」そう思う場合もあるかも。
でもね、私思うのですが、子どもって結構小さい頃から色々わかってるんです。
言葉にはできないけれど。
約束しても、守れないけれど。
だから、最初から「わからない」と諦めずに、お子さんの年齢に合った言葉で、しっかりお話ししてほしいな…と思います。

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内側から扉が開くタイプの洗濯乾燥機も販売されています

ドラム式洗濯乾燥機は高価な家電なので、すぐに買い換える事はないかもしれませんが、実は、子どもが中に閉じ込められる事故に配慮し、内側から扉が開くタイプのものも販売されています。
これが、6つ目の対策です。

実は…ご紹介した様な子どもが閉じ込められて窒息死する事故があったのをきっかけに、各メーカーが内側から扉を開けられる機種を販売する様になりました。
例えば、わが家で使っている日立の新しい機種では…

出典:日立BDV9800 取扱説明書

この様に、ドアロックをしない様に設定することができます。

新しい機種であれば、内側から扉が開く設定が可能な製品が販売されていますので、買い替えを視野に入れるのも事故防止策としては有効だと思います。

ドアロックの解除ができるかどうかは、価格.comなどの商品スペックではあまり紹介がなく、取扱説明書をみて初めてわかる情報でした。
買い替えを検討する際には、ぜひ取扱説明書から閉じ込め防止機能についてもチェックをしてみて下さいね。

ドラム式洗濯乾燥機で起こる悲しい窒息事故は、防げます!

ドラム式洗濯乾燥機は、とっても便利な家電です。我が家も、どれだけお世話になったかわかりません。
しかし、ちょっとした不注意から、ちょっとした油断から、大切な子どもの命が奪われる事故が起こっている事も事実。

少しでも多くのご家庭で、事故防止策を取ってほしいという思いで、今回記事を書かせていただきました。

・常に扉を閉めておく
・チャイルドロックを使用する
・近くに踏み台になるものを置かない
・ゴムバンドで開閉を防止する方法もある
・子どもにしっかりと説明をする
・新しい機種では、閉じ込め防止機能がついたものが販売されている

6つの対策の内、いくつかはあなたのご家庭でも実践できることがあるはずです。
この記事を読んでくださった方はぜひ、今日から、安全対策をしていただきたいなと思います。

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