インフルエンザに家族がかかった!うつさない為の10の対応策を内科医ママが教えます

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。

ゆず
どうしよう、家族がインフルエンザにかかっちゃった…
この記事を読んでいるあなたは、まさにそんな状況ではないでしょうか。

インフルエンザは感染力の高い病気。
外来診療をしていても、

「家族全員がインフルエンザに倒れました…」

なんて話をよく聞きますね。

でも、正しい対策をすれば、家族内でインフルエンザが広まるリスクを最小限に抑えることも可能です。

この記事では、家族の誰かがインフルエンザにかかってしまった時、家族内で感染を広めないための10の対策について、解説します。

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インフルエンザを家族内で広めないための10の対策

これから、インフルエンザを家庭内で蔓延させないための10の対策を紹介します。

どの対策も、一般的な風邪や胃腸炎(ノロウイルスを除く※)にも有効な方法なので、インフルエンザの時以外にも活用して下さいね。

※ノロウイルスにはアルコール消毒が無効なため

1. こまめな手洗い+アルコール消毒

感染を防ぐ…と聞くと、「手洗い・うがい」が第一に思い浮かびませんか?

でも、正しい手洗いをトレーニングされた医療従事者でもない限り…
手洗いで手についたウイルスをしっかりと落とすことは難しいです。
いや、医療者でもちょっと厳しいかも。

そこで役に立つのが、アルコール消毒です。
石鹸手洗いと比べると、アルコール消毒は5〜50倍程度、ウイルスを減少させると報告されています。
看病する場合、患者さんのお世話をする前後で石鹸手洗い+アルコール消毒をするようにしましょう。

アルコール消毒には液体タイプもありますが、塗り込みやすさの面からはジェルタイプがおすすめ。
ジェルタイプなら、小さなお子さんでも使いやすいので、家族みんなで予防できますよ。

2. 患者も家族もマスクを使用する

インフルエンザにかかった本人はもちろん、一緒に暮らす家族もみんなでマスクを着用しましょう。

マスクには、

・患者さんの咳やくしゃみで空気中にウイルスがばらまかれるのを防ぐ
・患者さんが自分の口や鼻を触って、手にウイルスが付着するのを防ぐ
・家族が口や鼻を触って、手についたウイルスにより感染してしまうのを防ぐ

という役割があります。

人間は無意識に顔を触ってしまうもの。
マスクをしていれば、うっかり触ってもマスクがガードしてくれます。
家族は、患者さんと接する時以外にもマスクをつけている方がいいですよ。

使用したマスク表面にはウイルスがついていると思って、表面を触らないように気をつけながら捨てて下さい。
高価なマスクを購入して長々と使うよりは、安くて大量に入っているマスクを購入して、どんどん新しいものに交換する方がおすすめです。

3. タオルは共有しない

患者さんが手洗い後に使用したタオルには、インフルエンザウイルスが必ずついていると考えて下さい。
なぜなら、手洗いをしてもウイルスは手に残っているからです。

患者さんと、それ以外の家族は、タオルを別にしましょう。
ただ、いつ誰にインフルエンザがうつるか分からない状況ですから…
できれば1人1枚タオルを用意するのがおすすめです。
1人1枚なら、発症前の潜伏期間に他の家族にうつしてしまう可能性を下げることができます。

4. 家族が触るところはアルコールで消毒

インフルエンザウイルスは、患者さんの咳やくしゃみ、鼻水などの中に大量に含まれるだけでなく、衣類やドアノブなどの表面でも長く生存しています。

インフルエンザウイルスの生存時間は、

衣類の表面:8〜16時間程度
ドアノブの表面:24〜48時間程度

とされています。
特に、金属の表面など乾燥していてツルツルのものは、ウイルスが生き延びる時間が長いため、注意が必要です。

ドアノブ、手すり、電気のスイッチなど、家族みんなが触る場所は、こまめにアルコール消毒をしましょう。
また、パソコンのキーボードも要注意。
家族内でインフルエンザ患者さんが出たら、パソコン・スマホは共有しない方が良いですね。

もし共有するなら、使用中はマスクをする、使用後は手だけではなくパソコン・スマホもアルコール消毒をすることを心がけて下さい。

5. 寝る部屋を分ける

患者さんと同じ部屋で寝るのは、避けた方が良いです。
寝室はできる限り別にするようにしましょう。

患者さんが赤ちゃんや小さな子どもであるなど、寝室を分けられない場合は、1m以上離れて寝るようにして下さい。

6. 食事の時間をずらす

患者さんの咳やくしゃみなどでウイルスが食事や食器に付着し、それが周りの家族の口に入って感染してしまうため、

・料理はあらかじめ一人ずつ取り分けておく
・食器の共有はしない

は大前提ですが、できれば、食事を一緒にとらないことをおすすめします。

また、患者さんが食べ残したものは、もったいないと感じてもすぐに処分して下さいね。

7. 部屋をこまめに換気する

寒い冬はどうしても換気回数が少なくなりがち。
でも、そんな室内にはインフルエンザのウイルスがたくさんこもってしまいます。

1〜2時間ごとに、5分程度を目安に、こまめな換気をしてウイルスの量を減らしましょう。

8. 温度20℃以上、湿度40%以上に保つ

インフルエンザウイルスの活性を少しでも落とすためには、

・室温20度以上
・湿度40%以上

が推奨されています。
湿度については、湿度が低い方がインフルエンザの感染力が高かったという報告もあれば、変わらなかったという報告もあるのですが、やってみる価値はあるでしょう。

ちなみに、湿度40%以上だと…ちょっとタオルを干す程度では不十分です。
やかんでお湯を沸かすとか、加湿器を利用するなどして、しっかりと加湿する必要があります。

加湿をする場合には、カビの発生には注意をして下さいね。
また、加湿器はしっかりとお手入れをして使わないと、肺炎の原因となる可能性も。
加湿器による肺炎については、以下の記事で詳しく解説していますよ。

ちなみに私のおすすめは

1. ダイソン(月1回のお手入れででOK、掃除が面倒なフィルターがない、99.9%除菌)
2. 無印良品 超音波うるおいアロマディフューザー(お手入れが楽)

です。

9. ふた付きゴミ箱を使用

患者さんが鼻をかんだり、くしゃみを押さえたティッシュには、大量のインフルエンザウイルスがびっしりついています。
これをその辺に置きっ放しにしたり、適当に捨てたりすると、ウイルスを拡散してしまう原因に。

ウイルスの拡散を防ぐためには、蓋つきのゴミ箱を利用し、ゴミはすぐに捨ててもらうようにしましょう。

10. 紅茶を飲む・紅茶うがい

紅茶にはインフルエンザウイルスの感染力を無力化する効果があるという報告があります。
とはいえ、その効果がしっかり確認されているのは試験管の中。
医学的にはデータが不十分なのでなんとも言えませんが、紅茶は多くのご家庭にありますし、あまり害にもならないのでご紹介させていただきますね。

紅茶を飲むことで

・患者さんが飲むと、周囲に拡散するウイルスを減らす効果
・家族が飲むと、のどの粘膜に付着したウイルスを無効化する効果

この2つの効果が期待できる…かもしれないので、もし実践するのであれば、罹った人も、まだ元気なご家族も、みんなで紅茶を飲むのがおすすめ。

飲み方としては、少量ずつこまめに飲む方法が、効果が期待できると思います。

紅茶の効果については、こちらの記事で詳しく解説しました。
効果をアップする飲み方や、逆に効果がなくなってしまう飲み方もあるようなので…
「やってみたい!」ということであれば、記事を読んでから実践して下さいね。

では改めて、ご紹介した10の対策をまとめておきますね。

インフルエンザ予防対策

1. こまめな手洗い+アルコール消毒
2. 患者も家族もマスクを使用する
3. タオルは共有しない
4. 家族が触るところはアルコールで消毒
5. 寝る部屋を分ける
6. 食事の時間をずらす
7. 部屋をこまめに換気する
8. 温度20℃以上、湿度40%以上に保つ
9. ふた付きゴミ箱を使用
10. 紅茶を飲む・紅茶うがい

抗インフルエンザ薬で予防はできないの?

ここまで10の対策についてお伝えしてきましたが…

あなた
あれ?インフルエンザのお薬で予防はできないの?
と、疑問に思ったかもしれませんね。

答えは…

ゆず
お薬で予防する方法もありますが、皆さんにおすすめしている訳ではありません
です。

家族内に感染者が出た場合に抗インフルエンザ薬を予防投与した臨床研究では

・タミフルで13.6%
・リレンザで14.8%
・イナビルで7.6%

発症を予防する効果がありました。
このため、この3つのお薬に限っては、予防のために使うことが可能です。
Cochrane Database Syst Rev. 2014 Apr 10;(4):Clin Infect Dis. 2016 Aug 1;63(3):330-7.

ですが、予防投与が推奨されるのは

①同居する家族にインフルエンザを発症した人がいる
②インフルエンザにかかった場合に重症化のリスクが高い

上記①、②の条件を二つとも満たした人です。

なお、重症化リスクが高い人というのは、

・5歳未満の小児(特に2歳未満)
・65歳以上の高齢者
・肺、心臓、腎臓、肝臓、神経などに、慢性の疾患を抱えている人
・血液疾患(白血病など)、代謝性疾患(糖尿病など)がある人
・妊娠中の女性
・産後2週間以内の女性
・病的肥満
・長期療養施設などに入所中の人

などの条件に当てはまる場合。

もし、上記の条件に当てはまる…という場合には、病院で予防内服のお薬を処方してもらえるかどうか、相談して下さい。
ただし、自費診療の扱いとなりますので、ご注意を。

インフルエンザに関する情報をまとめました

当サイトでは、主に子育て中のパパやママに向けて、他にもインフルエンザに関する情報を提供しています。
お子さんや、妊娠中・授乳中のママに役立つ情報として

・インフルエンザの予防接種を受けるかどうか悩んでいる
・子どもに抗インフルエンザ薬を飲ませていいのか迷っている
・インフルエンザにかかった時の対策が知りたい
・子どもが粉薬を飲んでくれなくて困っている
・妊娠中にインフルエンザにかかってしまった

などのお悩みに答える記事をまとめました。

各記事は、

インフルエンザ特集!インフルエンザの予防から罹った時の対処法までを現役内科医ママが解説します

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こちらからチェックしてみて下さいね。

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まとめ

この記事では、家族の誰かがインフルエンザにかかってしまった時、他の家族にうつさない様にするための対策を、10個ご紹介しました。

最後に、10の対策をまとめます。

インフルエンザの家族内感染対策

1. こまめな手洗い+アルコール消毒
2. 患者も家族もマスクを使用する
3. タオルは共有しない
4. 家族が触るところはアルコールで消毒
5. 寝る部屋を分ける
6. 食事の時間をずらす
7. 部屋をこまめに換気する
8. 温度20℃以上、湿度40%以上に保つ
9. ふた付きゴミ箱を使用
10. 紅茶を飲む・紅茶うがい

インフルエンザは感染力が高い病気ですが、しっかりと対策することで、感染が広まるのを抑えることも可能です。

ご紹介した対策の内、

・こまめな手洗い+アルコール消毒
・マスクの着用

この2つは、病院で行われる感染対策としても、基本中の基本として行われているもの。
ご家庭でもぜひ、実践してみて下さいね。

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