【内科医直伝】インフルエンザ、安易な市販薬の内服は危険!?自力で治す場合におすすめの2つの薬を紹介します

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。

夕方から、なんか怠い。

夕食もあんまり食べたくなかったな…

あれ?めっちゃ寒いんですけど…って、熱測ったら39.4℃じゃんっ!!

あなた
やば…インフルエンザになったっぽい

こんな時、あなたならどうしますか?

翌朝になるのを待って、病院に行く。

これもありです。
でも、

病院を受診するのがしんどい…
正直、病院を受診する時間がない…
今夜だし、とりあえず家にある薬でなんとかしたい…

こんな時、お家でインフルエンザの治療ができたらいいですよね。

インフルエンザなら、必ず病院に行かなきゃダメだと思いますか?

答えはNO。

インフルエンザはお家で治してもOKです。
市販薬にもいい薬がありますよ。

この記事では

『インフルエンザを家で自力で治したい』

そんなあなたのために

・インフルエンザの時に飲んではいけない市販のお薬とは?
・インフルエンザに効く!内科医おすすめの2つの市販薬
・市販薬を選ぶ時は「バファリン」に注意
・病院を受診した方がいい人
・自宅ですべきお薬以外のケア

といったことをお伝えします。

病院を受診せずにインフルエンザを治したい…ということであれば、ぜひ読んでみて下さいね。

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インフルエンザっぽい…必ず病院に行かなきゃダメ?

患者さん
先生…急に高熱が出て、体もだるくて、節々が痛いです。

こんな感じで、インフルエンザの患者さんは病院にやってきます。
問診や診察の結果、

(こりゃ〜インフルエンザだな)

となると、

ゆず
じゃあ、お薬出しておきますね。

と、なるわけですが…

インフルエンザで病院にかかった場合に処方される薬は

(1)熱や痛み、怠さを和らげる薬(解熱鎮痛薬)
(2)咳や鼻水などの症状を和らげる薬(咳止め、抗ヒスタミン剤など)
(3)インフルエンザウイルスの増殖を抑える薬(抗インフルエンザ薬)

主に上記の3種類になります。

そして…
この3種類の内、ドラッグストアでは手に入らないのは

(3)抗インフルエンザ薬

だけ、です。

てことは…

抗インフルエンザ薬がなくてもOKなら、わざわざ病院に行かなくても大丈夫かも…?

では、全ての患者さんが抗インフルエンザ薬を飲まなければならないのでしょうか?

インフルエンザっぽい時でも、必ず病院を受診しなければいけない訳じゃない

元々が健康な方であれば、インフルエンザにかかってしまっても、多くの場合は家でゆっくり寝ていれば良くなります。

実は、抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を内服する必要がない人がほとんどなんです。

あなた
えっ、そうなの?でも、みんな飲んでるし…
と思いましたか?

実はですね…

世界中のタミフルの約6割は、日本で使われています。
日本は『抗インフルエンザ薬使い過ぎの国』なんですね。

抗インフルエンザ薬を使った方がいいのは、こんな人。

・5歳(特に2歳)未満の乳幼児
・65歳以上の高齢者
・肺や気管支などの呼吸器に慢性疾患がある人
・心臓、肝臓、腎臓などに持病がある人
・糖尿病や血液疾患(白血病など)などで免疫が弱っている人
・妊娠中、または産後2週間以内の女性

上記に当てはまらない場合には、症状がよほど重くなければ、抗インフルエンザ薬を使わなければいけない理由はありません。

となると。
3種類あった治療薬のうち、

(1)熱や痛み、怠さを和らげる薬(解熱鎮痛薬)
(2)咳や鼻水などの症状を和らげる薬(咳止め、抗ヒスタミン剤など)

は、ドラッグストアでも手に入りますから…
病院を受診しなくても、病院で処方されるものと似たようなお薬を飲みながら、家でじっくり療養することだって、選択肢になる訳です。

インフルエンザの流行シーズンは、病院なんてどこも大混雑。
高熱でしんどい体を引きずって、待合室で2時間待たされる…なんて思いをしなくても、自宅で治せたらいいですよね。

ただし。
市販のお薬で治療する時には、注意しなければならないことがあるんです。
それは、

「飲んではいけないお薬」に気をつける

ということ。

では、インフルエンザの時に飲んではいけないお薬について、お伝えしますね。

インフルエンザ、市販薬で治すなら飲んではいけない薬に気をつけて!

インフルエンザの辛い症状には、

・高熱
・寒気
・全身倦怠感
・節々の痛み
・頭痛

などがありますよね。
これら

  1. 痛み
  2. 怠さ

の症状を和らげてくれるのが、解熱鎮痛薬(痛み止め・熱冷まし)です。

私もインフルエンザで病院を受診した患者さんには、大抵の場合、解熱鎮痛薬を処方していますね。

ところが。
解熱鎮痛薬の中には、インフルエンザの人は内服してはいけないものが複数あるんです。
知らずに市販の解熱鎮痛薬や風邪薬を飲んでしまうと…合併症が増えてしまうリスクもあるんですよ。

ここでは、飲んではいけない解熱鎮痛薬について…

・どれを飲んではいけないのか?
・なぜ飲んではいけないのか?

を解説します。

インフルエンザの時、『アセトアミノフェン』以外の解熱鎮痛薬は避けた方がいい

インフルエンザの人に医師が処方する解熱鎮痛薬は、基本的には『アセトアミノフェン』という成分のものだけです。
少なくとも私は、他の解熱鎮痛薬は処方しません。

あなた
インフルエンザにかかったっぽい…

こんな時、市販の解熱鎮痛薬や風邪薬を飲む場合には、必ず成分をチェックしましょう。

アセトアミノフェンはOKですが…

ロキソプロフェンナトリウム
イブプロフェン
アセチルサリチル酸(アスピリン)

などの成分が入っているものは、避けて下さいね。
解熱鎮痛の成分が2つ入っているタイプの痛み止めも市販されているので、アセトアミノフェンが書いてあっても、注意が必要です。

ドラッグストアで購入する場合には、薬剤師さんに

解熱鎮痛の成分がアセトアミノフェンだけのものがほしいんですけど…
と相談して選ぶのがおすすめです。

アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬を避けた方がいい理由

アセトアミノフェン以外を避ける理由、それは…

インフルエンザにかかっている患者さんが、アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬を内服すると、稀ではありますが、病状が悪化することがあるからです。

脳炎や脳症を発症するリスクが上がる

インフルエンザにかかった際に、脳炎や脳症を発症し、亡くなってしまうことがあります。
毎年のように報告があり、2018/2019年シーズンでも、小学生のお子さんが亡くなっているんですよ。
インフルエンザに関連して起こる脳炎、脳症は

・ライ症候群(脳炎+急性の肝不全)
・インフルエンザ脳症
・インフルエンザ脳炎

この3つなのですが…
アセトアミノフェン以外の解熱鎮痛薬を内服していると、これらの発症率が高まり、死亡したというケースも。
上記は主に小児での報告ですが、ちゃんと代用薬があるのですから、大人だって避けておいた方が無難です。

インフルエンザ以外のウイルス性疾患だった際に、危険である可能性がある

もう一つは、インフルエンザ以外のウイルス性疾患だった場合にまずいことがある、という理由です。

数年前、デング熱が日本で流行したことがありましたが…
デング熱にかかり、ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)を飲んでしまった患者さんが、血小板(血液中の血を止める成分)が激減し、出血しやすくなり、重症化してしまいました。

こういうことが起こるので…

「ウイルスの種類がなんだか分からない時は、不用意にロキソニンなどの解熱鎮痛薬を処方するのではなく、アセトアミノフェンにしましょう」

というのが、お約束なんですね。

今のあなたの高熱と筋肉痛は、実はインフルエンザではないかもしれません。
であれば、やっぱりアセトアミノフェンにしておくのが安心なんです。

アセトアミノフェンにしておけば安心

え〜、なんか難しい…
と思ったかもしれませんが、要は

とにかくアセトアミノフェンにしておけばOK

ということ。
これさえ押さえておけば、あとの成分は基本大丈夫です。

とはいえ、やっぱり心配…というあなたに。
次は、インフルエンザの時にドラッグストアやAmazon、楽天などでも購入可能な、内科医おすすめのお薬をご紹介しますね。

市販薬でインフルエンザにおすすめなのはこの2つ!

では、ドラッグストアやネット通販でも購入可能な、インフルエンザにおすすめのお薬をご紹介します。

購入・内服される際には、念のためご自身で成分の確認をされるようお願いしますね。
(記事作成より後に、お薬の仕様変更などがあると困るので、念のため!)

1. アセトアミノフェン

まずは解熱鎮痛薬。
そう、アセトアミノフェンを選べば良かったんですよね。

ここでは、

・解熱鎮痛の成分はアセトアミノフェンだけ
・眠くなる成分が含まれていない

というお薬をご紹介しますね。

商品名 1錠中の成分
バファリンルナJ アセトアミノフェン100mg
タイレノールA アセトアミノフェン300mg
ラックル速容錠 アセトアミノフェン300mg

1回量は成人女性なら300〜400mg、成人男性なら400〜500mg、4〜6時間以上の服用間隔で、1日3回程度までが目安です。
(ただし、内服可能な量の上限は1日1500mg)

アセトアミノフェンは肝臓で代謝するタイプのお薬であるため、肝障害が指摘されている方には適さない場合も。肝障害のある方の場合、内服には医師の判断が必要です。

【注意】リンク先に、別の商品が一緒に並んで表示されることがありますのでご注意下さい!
商品名とパッケージ写真をよく見て購入して下さいね。

2. 麻黄湯

次にご紹介するのは、麻黄湯という漢方。

え〜、漢方薬なんて効くの?
なんて、侮ることなかれ。
麻黄湯は、インフルエンザに保険が通っている漢方薬です。

保険が通っている=効果があるとお墨付きがある

という意味なので…
インフルエンザに対する効果にはお墨付きがある漢方なんですね。

麻黄湯は、インフルエンザ患者さんの

・発熱
・関節痛
・筋肉痛

に、効果があります。
また、少ない人数での報告ではありますが、解熱効果は抗インフルエンザ薬(タミフル)と同等だったという結果まであるんですよ。

麻黄湯は特に、ゾクゾクっと寒気がして節々が痛む、発症初期にぴったり。
小さなお子さんから、高齢の方まで比較的安全に飲めるお薬なので、ぜひおすすめします。

麻黄湯の中には、エフェドリンという成分が含まれるため、心臓に持病のある方(特に高齢者)の場合は注意が必要です。
心臓に持病がある場合は、病院で医師と相談の上で処方してもらうことをおすすめします。

【注意】そのバファリン、本当にアセトアミノフェンですか?

市販薬を選んでもらう際に、1つ大切な注意点があります。

ドラッグストアに行くと、たくさん並んでいるバファリン。
でも…同じ「バファリン」でも、名前によって成分が全然違うって知っていますか?

薬の名前 鎮痛成分
バファリンA アセチルサリチル酸(アスピリン)
バファリンEX ロキソプロフェンナトリウム
バファリンプレミアム イブプロフェン+アセトアミノフェン
バファリンルナJ アセトアミノフェン
バファリンルナi イブプロフェン+アセトアミノフェン
小児用バファリン アセトアミノフェン

風邪薬タイプを除いたものでも、これだけの種類があって…
この中で、鎮痛成分がアセトアミノフェンだけなのは

・バファリンルナJ
・小児用バファリン

この2つだけ。
ここ、購入する時にはよ〜く気をつけて下さい。

ひどい鼻づまり対策ならこの作戦で!

おすすめした2つの薬は、主にインフルエンザの

・発熱
・関節痛
・筋肉痛
・頭痛
・全身倦怠感

といった、痛みや熱を和らげるタイプのお薬でしたが…
インフルエンザでしんどいのは、それだけじゃないですよね。

2017/2018年シーズンに私もインフルエンザにかかってしまったのですが、その時に一番苦しんだのはひどい鼻づまりでした。

鼻水・鼻づまり対策については、耳鼻科の先生に教えてもらい、詳しく解説した記事がありますので、そちらを参考になさって下さいね。

【耳鼻科医推奨】風邪の辛い鼻づまりが市販の鼻炎薬で改善!耳鼻科医に聞いた一番効果のある方法を、内科医ママが解説します。

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こんにちは。 現役内科医ママの、ゆずです。 2018年、20年ぶりにインフルエンザにかかりました。 普段、たくさんのインフ...

3つのお薬を正しい順番で使うことで、ひどい鼻づまりを解決した方法をお伝えしています。

ここまで、インフルエンザにかかった時の市販薬の選び方について説明しましたが…
中には家で頑張らずに、初めから病院に来てもらいたい人もいます。

次は、どんな人が病院に来た方がいいのかをお伝えしますね。

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病院で処方を受けた方が良いのはこんな場合

病院で処方されるのと同じ成分のものがドラッグストアで手に入るなんて、とっても便利。
でも、病院に行って処方を受けた方が良いケースもあります。

・お薬のアレルギーがある場合
・心臓、肝臓、腎臓など、臓器機能に異常がある場合
・持病で内服しているお薬があり、主治医から併用の許可がない場合
・妊娠している場合

こんな場合には、病院で医師と相談してお薬を飲むことをお勧めします。

また、

薬を飲んでいるのに、ちっとも症状が改善しない…
こんな時には、実はインフルエンザじゃなかったとか、インフルエンザの後に肺炎になっちゃった…なんて可能性もあります。
「おかしいな」と思ったら、我慢しすぎずに病院を受診して下さいね。

インフルエンザになった時、自宅でできる薬以外のケア

インフルエンザにかかったときは、お薬を飲む以外のケアも大切です。
ここでは、お家で療養する時のポイントをお伝えしますね。

1. とにかくゆっくり休む!

これ…なかなかできない人も多いのですが、一番重要かも。

ゆっくり休まないと、免疫もしっかり働けないので、結果として治るまでにかかる期間が長引いてしまうんですよね。
インフルエンザになったら、しっかり休養を取りましょう。

2. 熱の下げすぎには要注意

熱を下げすぎると、かえって症状が長引きます。

体温は高いけど、意外と辛くないぞ…?
という時は、無理に薬で下げない方が、早く治りますよ。

3. こまめな水分補給で脱水予防

インフルエンザにかかると、

・高熱で体表面から失われる水分が増える
・食欲がなく食事があまりとれない

といったことから、脱水になりやすくなります。
水分はこまめに補給しましょうね。

目安はトイレの回数。
尿がいつもと同じくらいの回数、量で出ていればOKです。

濃い尿が少ししか出ない時は脱水ですので、飲む回数を増やしてみて下さい。

4. 10代の患者さんでは異常行動に注意!

これは、病院にかかろうと、かかるまいと共通なのですが…
10代の患者さんでは、インフルエンザにかかった際に異常行動がみられているため、注意が必要です。

10代の患者さんがインフルエンザにかかった場合は

・家で一人にしない
・窓に鍵をかける

などの対策をして下さいね。

インフルエンザで起こる異常行動については、

【インフルエンザで起こる子どもの異常行動。転落死を防ぐための5つの対応策とは?内科医ママが解説します。】

インフルエンザで起こる子どもの異常行動。転落死を防ぐための5つの対応策とは?内科医ママが解説します。
こんにちは。 現役内科医ママの、ゆずです。 今年もとうとうインフルエンザが流行期に入りました。 2017年はワクチンの供給...

こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみて下さい。

ちなみに…
外来で結構よく聞かれるのですが、入浴は問題ありません。
体力的にきつくなければ、お風呂もシャワーもOKです。

まとめ

インフルエンザを市販薬で治したい…
そんな時、おすすめの薬と注意点をお伝えしてきましたが、いかがでしたか?

最後に、この記事でお伝えしたことをまとめます。

インフルエンザにおすすめの市販薬
・アセトアミノフェン(バファリンルナJ、タイレノールA、ラックル速溶錠)
・麻黄湯
市販薬購入時の注意点
・解熱鎮痛成分は、アセトアミノフェンだけがOK
・ロキソプロフェンナトリウム、イブプロフェン、アセチルサリチル酸はNG
・バファリンは名前によって成分が全く異なるため要注意

市販薬を上手に使って自宅で療養するのも一つの選択肢ですが、我慢のしすぎは禁物。
しんどい時は無理しすぎず、病院にいらして下さいね。

ご紹介したお薬のまとめ

【注意】リンク先に、別の商品が一緒に並んで表示されることがありますのでご注意下さい!
商品名とパッケージ写真をよく見て購入して下さいね。

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