加湿器やアロマディフューザーで肺炎に!?赤ちゃん・子どもがいるご家庭に最適な加湿器選びとお手入れのポイントを、内科医ママが教えます

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こんにちは。
現役内科医ママの、ゆずです。
この記事を作成している今は11月。寒さがだんだん本格的になって、加湿器を利用する頻度も増えてくる季節ですね。

ところで、皆さんはどんな加湿器をお使いですか?
お子さんが誤って触って火傷をしない様に「超音波式加湿器」や「超音波式アロマディフューザー」を使っていらっしゃるご家庭はありませんか?

超音波式の加湿器は、水を超音波で振動させて水蒸気を発生させるので、本体が熱くならないし、省エネ、コンパクトなものが多く、とても便利です。
我が家でも、無印良品の「超音波式アロマディフューザー」をたまに使っています。
ですが…超音波式の加湿器やアロマディフューザーは使用方法を誤ると、肺炎などの病気の原因になることがあるんです。

今日は、超音波式の加湿器・アロマディフューザーの危険性と、正しい使い方についてお伝えしますね。

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超音波式の加湿器・アロマディフューザーで起こる『過敏性肺炎』とは

超音波式の加湿器やアロマディフューザーで起こる肺炎は『過敏性肺炎』(『加湿器肺』と呼ばれることもあります)と呼ばれる、アレルギー性の肺炎です。
高熱や咳の症状が出るだけでなく、肺炎がひどくなると血液中の酸素濃度が低下し、入院が必要となることもあります。

加湿器で起こる『過敏性肺炎』の原因とは?

正しくお手入れをせずに使用している超音波式の加湿器・アロマディフーザーでは、細菌やカビが大量に繁殖し、水蒸気と一緒に放出されています。
知らずしらずの内にそれを吸い込んでしまうことで起こる、細菌やカビに対するアレルギー反応が、過敏性肺炎の原因です。

ママ
細菌やカビを吸い込んでいる…
想像すると、なんだか恐ろしいですね。

過敏性肺炎の症状は、普通の風邪と間違われることも

過敏性肺炎の症状は

・発熱
・しつこい咳
・倦怠感
・寒気
・呼吸の苦しさ

などで、風邪や普通の肺炎と似ています。
このため診療所などで風邪と診断されてしまい、症状を和らげるための対症療法薬(解熱剤、咳止めなど)を処方されたり、気管支炎や肺炎かな…と抗生物質を処方されたりすることも。

痰が出にくい点は風邪や普通の肺炎と区別するポイントになりますが、それだけでは区別することはできません。

過敏性肺炎の最大の特徴は、アレルギーの原因である加湿器や、加湿器を使用した部屋から離れると、症状が軽くなることです。
これは診断基準にも入っている重要な特徴なんですよ。
もし「いつも加湿器を使っている部屋でだけ症状が悪化するな〜」と感じた場合には、必ず先生にその話をするようにして下さい。

過敏性肺炎が疑われても、すぐに加湿器を捨てないで!

ママ
肺炎の原因が加湿器かもしれないって病院で言われた…そんな危険な加湿器はすぐに捨てちゃおう!

そう思ったあなたに、大切なことをお伝えします。

ちゃんと診断がつくまでは、原因と思われる加湿器を処分しないでください!

過敏性肺炎を診断するためには血液検査、レントゲン、CTなどの様々な検査を行いますが、『誘発試験』という重大な検査に”その加湿器”が必要なんです。

誘発試験とは、原因と思われる加湿器などを敢えて使用してみて、症状や検査データが悪化するかどうかをみる検査です。
例えば、自宅で使っている加湿器が怪しい!となった時に、病院にその加湿器を持って来ていただいて、どこかの部屋で加湿器を使用しながらテレビでも観て過ごしていただく…そんな感じ。
すると、もしその加湿器が原因なら、患者さんは咳が出始めたり、熱が出たり、翌日の血液検査結果が悪化したりします。

この検査、本当に大切なんです。
加湿器を捨ててしまったばっかりに診断が確定できず、もっと苦しい「気管支鏡検査」をしなければならなかった…なんてことになったら大変。

過敏性肺炎が疑われても、診断が確定するまでは、”その加湿器”は絶対に捨てないでくださいね。

過敏性肺炎の治療について

治療で一番大切なのはアレルギーの原因から離れることです。
症状が軽く入院しなくても良い場合は、加湿器を使うのをやめてもらい、加湿器を使っていなかったお部屋で過ごしてもらうなどして様子を見ます。

症状が強く、血液中の酸素濃度が低下してしまっている場合は入院になります。
その場合でも、酸素を吸ってもらいながら病院で過ごすだけで改善することもありますし、場合によってはアレルギーを抑えるためのステロイドというお薬を使用することもあります。

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過敏性肺炎を防ごう!加湿器のお手入れと選び方のポイントとは?

そうは言っても、お部屋を加湿することで、風邪の時の気道の症状を和らげたり、インフルエンザなどのウイルスが長時間空気中に舞うのを防ぐ効果も期待できます。
特に赤ちゃんがいるご家庭では、湿度も気を遣っていることが多いですよね。

では、加湿器のお手入れのポイントと選び方についてをお伝えしましょう。

加湿器のお手入れのポイント

お手入れのポイントは、細菌やカビを繁殖させない、これに尽きます。
基本的には、取扱説明書に従ってお手入れしていただくことになりますが、できればもっと衛生的に…と思った方がいいと思います。
水分が残ったまま放っておくのはいけません。使い終わったら中をきれいにしてから乾燥させましょう。また、水を注ぎ足しながら何日も使用する方法は、やはり菌が繁殖するためお勧めしません。

…面倒くさいでしょう?
しかも、頑張ってお手入れしても、通常は菌をゼロにすることは不可能です。だから、我が家ではたま〜にしか超音波式アロマディフューザーを使用しません。

過敏性肺炎予防の観点から考えた、加湿器の選び方

加湿器といっても、気化式、加熱式、超音波式、ハイブリッド式など様々なタイプが販売されていますね。
超音波式加湿器では細菌・カビが繁殖してしまうことをお伝えしましたが、「その他のタイプはどうなんだろう?」そんな疑問にお答えします。

加熱式・ハイブリッド式の加湿器なら安心?

加湿器には、水蒸気を発生させる方法の違いによって、いくつかの種類があります。
代表的なものとしては、水を熱して水蒸気を発生させる『加熱式(スチーム式)』、水を超音波で振動させることで、加熱することなく少ない電力で水蒸気を発生させる『超音波式』、これら両方の特徴を兼ね備えた『ハイブリッド式』などです。

例えば、加熱式ならこんなタイプ。加熱するため電力消費は多めですが、加湿のパワーが強く、昔からあるタイプなのでお手頃価格のものが多いです。

ハイブリッド式ならこんなタイプ。加熱式と超音波式の両方の機能を兼ね備えているので、加熱式のパワー、超音波式の省エネの二つを兼ね備えています。加熱式よりは少しお値段が張るものが多い感じです。

「加熱式の加湿器なら、菌が死ぬから大丈夫なんじゃない?」

そう思った方もいらっしゃるでしょう。その答えは…
加熱式だと過敏性肺炎を起こす頻度は少なくなりますが、やっぱり起こる場合もあります。

加熱式の加湿器の利点は、熱くなるので菌が繁殖するスピードが遅いことです。
アレルギーの原因とたくさん触れ合えば、アレルギーを起こす可能性も高まるので、加熱式の方が過敏性肺炎の報告は少ないです。

一方で、菌が死んでいてもアレルギーは起こります。
アレルギーの原因となる物質(体が反応してしまった物質)が、熱を加えても壊れないような物質なら、菌が熱によって死んでいてもアレルギーになります。
小麦アレルギーの患者さんが、クッキーなどのしっかり加熱した食品でもアレルギーを起こすことを思い出すと、しっくりくるかもしれませんね。

また、ハイブリッド式は除菌を目的として加熱してから超音波などを利用して水蒸気を放出するタイプですが、加熱式と同じように過敏性肺炎の報告があります。

どのタイプを選ぶとしても、掃除しやすいものを選ぶことが大切です。

除菌率のなるべく高い加湿器を選ぼう

これまでお伝えしてきた、加湿器に繁殖した細菌・カビによる健康の問題。
メーカーでも注目しており、除菌率の高いタイプの加湿器がすでに販売されています。

例えば、ダイソンハイジェニックミストは、UV-Cライト(紫外線)を利用して99.9%のバクテリアを除菌するとのこと。
高価ではありますが、除菌に注目して開発された加湿器をしっかりお手入れをしながら使用することが、現状では一番良いのではないかと思います。

「いやいや、ダイソンはちょっと予算的に届かないよ…」という場合は、無印のアロマディフューザーならお手入れがしやすい作りになっているので、二番目にお勧めです。

過敏性肺炎の発症には個人差がある

同じだけスギ花粉が飛んでいても、花粉症になる人とならない人がいます。
アレルギーが原因で起こる過敏性肺炎も、花粉症と同じように、なる人とならない人がいるんですね。なので、お手入れを一生懸命しても、絶対に大丈夫!とは言えません。

アレルギーの発症を抑えるためには、アレルギーの原因との接触をできるだけ少なくすることが大切。これを過敏性肺炎に置き換えて考えると、

・加湿器を清潔に保って、菌の繁殖を抑える
・毎日習慣的に使用するなど、加湿器を使う頻度を多くしすぎない

ということが、予防として考えられます。

まとめに

今日は加湿器の使用で起こる可能性のある「過敏性肺炎」についてお伝えしました。

・加湿器に繁殖した細菌やカビを吸い込むことが、過敏性肺炎の原因になる
・菌の繁殖を防ぐには、こまめなお手入れが必須
・菌の繁殖を防ぐ機能がついた高機能加湿器を選べばさらに安心
・過敏性肺炎が疑われても、診断がつくまでは加湿器を処分しないこと

以上のポイントを押さえて、安全に加湿器を使いましょう!

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